ITからICTへ
ICT(Information and Communication Technology)は「情報通信技術」の略であり、すでに海外では定着しています。
総務省発表の平成28年版情報通信白書でもよく登場するキーワードとなっています。
出典:総務省 平成28年版情報通信白書
弊社の取り組み
ICTは活用の意味で使われることもありますが、弊社にはその活用に向け技術を研究、評価する部門があります。
将来性を見極め、導入や事業化に向けた研究に取り組んでおります。
出典:【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド
技術は単独よりも、さまざまな技術を活用しあうことで最大限に生かされます。
IoT
IoTとは
IoTとは、Internet of Thingsの略称で「モノのインターネット」と訳されます。IoTという言葉が登場する前までは様々なものをネットワークでつなぐユビキタスという言葉で表現されていました。
M2M(機械通しの通信)とは異なり、IoTはモノ同士をインターネットで接続し、クラウド上にデータを収集することもできます。
活用事例
農業
近年日本の農業は担い手の高齢化、労働力不足が大きな問題となっています。これらの課題を解決するため、農林水産省は、ロボット技術やICTを活用して、超省力化・高品質生産を実現する新たな農業(スマート農業)を実現するための研究会を2013年11月設置ました。
例えば、これまでのハウス栽培では、ハウス内の温度や湿度、土壌の水分量の維持には、日射や暖房機、換気扇の管理など多くの人手と労力、経験が必要でしたが、IoTを活用することで、ハウス内に取り付けたセンサーから日射量や土壌の水分量を読み取り、自宅などの遠隔地からでもハウス内の環境を管理・分析できるようになります。
医療
医療分野ではウェアラブルデバイスと呼ばれる衣服型や腕時計型の身に着けることができる様々なIoT機器が活躍しています。
その中でもウォッチ型やリストバンド型のウェアラブルデバイスは広く認知されてきました。内蔵されたセンサーで自動的に自身の体温や血圧、脈拍数などの身体情報を取得することができるため、健康状態の記録・管理に役立ちます。
高齢化社会、医師不足などの医療問題の対応策として、IoTを活用した医療機器・システムの需要は増加しています
自動車
インターネットへの常時接続機能や多数のセンサーを搭載した自動車のことを「コネクテッドカー」と呼びます。 コネクテッドカーは安全性や効率的な運転を助けるために、センサーから周囲の状況など様々な情報を取得し、ネットワーク上で分析・解析して利用者に提供します。例えば、車の走行速度や路面状況、ブレーキの回数、走行データなどの情報を分析することで、渋滞緩和や危険予知、テレマティクス保険への活用が期待されています。
交通
バスの運行は道路の交通状況によって左右されるため、停留所への到着が遅れることがありましたが、最近ではIoTの活用により、停留所に設置されている液晶ディスプレイでバスの運行情報をリアルタイムに確認することができるようになりました。
鉄道でもIoTの活用により、列車の走行位置や各車両の乗車率、各車両の室温や外気温といった情報をスマートフォンのアプリを通してリアルタイムに確認できるようになりました。
AI
AIとは
AIとはArtificial Intelligenceの略称で、人工知能と訳されます。AIは学習・推論・判断などの人間のような知能を持つコンピュータシステムのことで、「機械学習」や「ディープラーニング(深層学習)」といった技術を用いて、蓄積されたデータを学習することで、相手や状況に応じた適切な判断をおこなうことができます。
活用事例
医療
医学論文の数は膨大で、医師がすべての医療情報を把握するのには限界がありますが、AIを活用することで膨大な情報の中から適切な情報を引き出すことができるため、医療分野でのAIの活躍が期待されています。
AIに膨大な量の医学論文を学習させることで、患者の現在の症状や遺伝子情報と学習したデータを照らし合わせ、原因となる疾患と治療法を推論することができるようになり、医師の負担を軽減することができるようになりました。
自動運転
自動運転でもAIは活用されており、すでに衝突回避システムなどの運転をサポートする機能が実用化されています。
また、完全自律走行を実現するための研究も進められています。例えば、AIに車両の各部に設置されたセンサーやカメラから取得したデータを、ディープラーニングや画像認識の技術を用いて学習させることで、AIは道路の状況や標識、通行人、自転車などを判別できるようなります。その結果、AIが道路や周囲の状況に合わせた適切な判断をおこなえるようになります。
オペレーションサポート
銀行や保険会社のコールセンターでは、人手不足の解消や教育コストの削減のため、AIによるオペレーションサーポートが活用されています。
AIは音声認識機能をにより通話内容を自動でテキスト化したり、顧客との会話から必要な情報を取り出し、それに応じた回答候補となる情報をオペレーターの画面に表示する作業などに活用されています。さらにオペレーターが表示された回答候補の正答をAIに教えることで、AIが学習し回答候補の正答率が向上していきます。
フィンテック
フィンテックとは
フィンテックは、ファイナンス(Finance)とテクノロジー(Technology)の2つを併せた造語で、ITを駆使した金融サービスの創出のことをいいます。 決済・送金・資産運用・ビッグデータ活用などの新サービスが次々と登場し、個人の生活や会社の取引慣行などを大きく変えようとしています。
活用事例
仮想通貨
仮想通貨は「ブロックチェーン」と呼ばれる技術によって支えられています。
ブロックチェーンとは、分散型台帳技術、または分散型のコンピューターネットワークです。通常、通貨は国によってその価値が担保されますが、
仮想通貨はブロックチェーンによる所有者の相互監視によってその価値及び取引が決まります。
スマートコントラクト
ブロックチェーンの世界では、「スマートコントラクト」というキーワードも話題になっています。
スマートコントタクトとは契約の自動化であり、契約の条件確認や履行までを自動的に実行させることができます。
ブロックチェーンを活用することで、契約時の証明を記録し、改ざんを防ぐことが可能になります。
食品流通関係
原産国や生産者、生産日など、それらすべての流通経路をブロックチェーン技術を用いて記録し、消費者がいつでも気になる情報にアクセスできるようになります。
また何か問題が起こった際にも、どの段階で不具合が生じたのかを瞬時に把握することができます。
食の安全性への意識が高まるなか、、ブロックチェーン技術を用いた食品流通事業が脚光を浴びる日は近いかもしれません。
選挙
ブロックチェーンを応用した「遠隔投票テクノロジー」も生まれています。
ブロックチェーンのデータ構造を生かせば、不正を行うことは事実上困難になるので、オンラインで安全に投票を行うことができるようになります。
このような技術の登場で、選挙活動の高速化、簡素化、コスト削減、更には、投票率を上げ、より強い民主主義に繋がることも期待できます。